「理想」という言葉は、なにやら青臭いイメージが付き纏っているかもしれない。しかし、なんの衒いもなく率直にその言葉を発することができるとしたら、それは確かにすばらしいことに違いない。

  いまの僕は、人を評価する時「人間力」で判断します。人間力とは、理想の可能性を考える力があるかないかということです。ある職業に就いて10年、20年経てば専門家になれます。才能なんて意味がない。たとえば、学者を10年やったからといって偉いということはない。人間の理想とはなんだろう、あるいは、理想の可能性はどこにあるんだろうと考え、そういう道筋をつけながら自分の専門の職業に関わっている人の「人間力」を、評価したいと思います。(吉本隆明「『理想』の可能性」)

 八十歳を過ぎて、なおもこのように述べることができることに、わたしは深い感慨を覚える。「理想の可能性」といういい方、「人間力」という捉え方、そして、「職業」というイノセントなたて方、どれも、言葉が際立つということは、こういうことをいうのだ。
 そして、わたし自身はというと、まだまだ入り口で立ち往生しているに過ぎない。

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こんにちは。私も同感です。「理想」の可能性を考える毎日とは言いがたいけど、仕事も暮しも、その延長線上に「理想」を置くと、何かすがすがしいものを覚えますね。やる気が出てきます。
  • 2006/04/25 19:46





   
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