志水辰夫の小説作品を、はじめて読んだのは、いつのことだったかはっきりと覚えてはいないが、『行きずりの街』が、刊行された後であることは間違いない(90年)。記憶を無理やり手繰り寄せれば、徳間文庫で『狼でもなく』(92年)が最初だったように思う。その後さらに、『飢えて狼』、『背いて故郷』を文庫本で読み、一気に志水辰夫の小説世界に魅せられていき、刊行されているすべての小説作品を読み通したはずだ。いまでは、わたしにとって、刊行された小説作品を必ず読了するただひとりの作家としてある(もちろん、寡作であることが可能にしているとしても、村上春樹、高橋源一郎、高村薫など、途中で読み飛ばしてしまう作家は沢山いる)。
 はじめは、いわゆるミステリー・推理小説というジャンルの中で、知って、そのつもりで読み始めたのだが、後に、ハード・ボイルド小説というジャンルに区分けされていることが、分かったのだが、わたしには、それはどうでもいいことだった。高村薫は、“わたしが書く小説は推理小説ではない”と、改めて宣明したように、作家にとって、ジャンルという枠は決していいものではないようだ。読者にしてみれば、入り口としてはいいのかもしれないが、わたしは小説作品に関しては、ジャンル分けは好まない。あくまでも、作家主義ということになると思う。なぜかくも、志水辰夫の小説世界に魅せられつづけて来たのかということを語っていくことで、志水辰夫の紡ぎ出す物語を紹介していければと思っている。

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